これから住宅ローンを借りようと思っている方

HOME > 住宅ローンを借りようと思っている方 > 家づくりの失敗例(ケース1)資金計画の甘さが招いた悲劇

家づくりの失敗例

ケース1 資金計画の甘さが招いた悲劇

ローン開始当初の『毎月の返済可能額』目いっぱいまで借りた資金計画。 将来的に大幅な昇給が見込めるか、当初よりも支出が減る見込みがあるならまだしも、家計の支出増(教育費の増大、生命保険の更新、車の買換え…)が降りかかると、返済開始数年で家計が火の車になることがあります。

これに拍車をかけるのが、変動型の住宅ローン商品の利用。ほんの数パーセント金利が上がっただけで、返済額は上昇し、確実に家計を圧迫します。こうなると徐々に返済が滞るようになり、完全な返済不能に陥るのは時間の問題となります。 さらに悪いことに、金利が上昇するとローン元本の減りが鈍くなります(図表1 金利別返済額の内訳)。

このように、毎月の返済額と借入時点の金利の低さだけで返済計画を立ててしまうと、まるで綱渡りをするかのような資金計画になってしまうのです。 住宅ローン商品ごとの特性を知っておくことや、少し先の家計の収支を予測しておくだけで、このような悲劇は防げたはずです。

図表1『金利別返済額の内訳』

3年固定選択型ローン・35年・元利均等返済・3,000万円の借入
借入当初2.0%だった金利が4年目から2.5%へ0.5%上昇した場合。

返済回数 返済額     残高 金利
利息額 元金返済額
32 99,378 47,383 51,995 28,378,382 2.0%
33 99,378 47,297 52,081 28,326,301
34 99,378 47,210 52,168 28,274,133
35 99,378 47,123 52,255 28,221,878
36 99,378 47,036 52,342 28,169,536
37 106,645 58,686 47,959 28,121,577 2.5%
38 106,645 58,586 48,059 28,073,518
39 106,645 58,486 48,159 28,025,359
40 106,645 58,386 48,259 27,977,100
41 106,645 58,286 48,360 27,928,740

金利が上昇する影響を考えた時、毎月の返済額がアップするのは誰にでも思いつくことですが、実はそれ以上に恐ろしいのが『返済の内訳が変化すること』です。具体的には、返済額のうち利息の占める割合が増え、元金の割合が減る、つまり元金の減りが鈍くなってしまうことなのです。

図表1の例では、金利がたった0.5%上昇しただけで、返済額が7,267円(106,645円-99,378円)増えます。その内訳を見ると、利息返済が11,650円(58,686円-47,036円)増え、元金返済は逆に4,383円(47,959円-52,342円)減っていることが分かります(ともに返済36回目と37回目の比較)。

前のページへ次のページへ